今さら聞けない印刷用語集 その1「くわえ」

kuwae02.jpg


「くわえ」とは

活版・オフセット・スクリーン印刷など、技法は問わず枚葉印刷機にはかならず必要なものです。
印刷機に用紙を通す際、最初に印刷機の給紙(紙を印刷機の中へ送り出す部分)にある爪が用紙を挟んで引っ張ります。
そのとき爪が用紙を「くわえ」てひっぱるために必要な幅を「くわえ」と呼びます。

ちなみに機械によって「くわえ」に必要な寸法は異なりますが、だいたい10〜12ミリ程度がほとんどです。
そして大事なことは「くわえ」の部分はインキは全く付きません。

このことが一番わかり易いのは包装紙などで全面ベタの絵柄を印刷した時です。
下の画像のように用紙の全面に薄いピンク色を印刷しても、用紙の一辺のみ約10ミリの白い余白が必ず残ります。



くわえとはりの関係

また、「くわえ」と関連する用語として「はり」があります。
「はり」は給紙の際に「くわえ」辺と90°の位置の辺を常に直角に給紙されるよう安定させるための機構のことです。

この「はり」と「くわえ」はその後の加工、例えば、断裁加工やトムソン加工などの見当合わせでも基準となります。
したがって印刷から次の工程に廻すときには、「はり」と「くわえ」の位置を申し送ることが義務づけられています。

ちなみに印刷物が正しい仕上げの位置からずれた不良品を「はり」が正しく機能しなかったという意味で、業界では「はり飛び」と呼んでいます。

くわえを気を付けないといけない印刷物

このように「くわえ」は印刷工程の中で非常に重要な要素ですが、通常は仕上がりサイズより大き目の紙に印刷してから後で仕上げ加工(断裁・製本・トムソンなど)を行うため、特に「くわえ」を意識してデザインやレイアウトを考える必要はありません。

ただ例外は既成品の封筒、名刺、ハガキなどに印刷する場合です。
この場合は仕上がりサイズ内に「くわえ」スペースが必要になりますので、これらの印刷物をデザイン・レイアウトする場合は、必ず四方のどれか一辺は端から約10ミリは文字や絵柄などを一切いれないようにしなければなりません。

実際に四方の内どの一辺が「くわえ」になるかは、印刷機やデザインの兼ね合いによって変わってきますので、必ず印刷会社に事前にご確認ください。

この記事は2008年9月26日に執筆したものを2017年4月16日に加筆・修整しました。

関連エントリー
今さら聞けない印刷用語集 その2「ダブルトーン 」
今さら聞けない印刷用語集 その3「版下」
今さら聞けない印刷用語集 その4「取り都合」
今さら聞けない印刷用語集 その5「付け合わせ」
今さら聞けない印刷用語集 その6「トンボ」
今さら聞けない印刷用語集 その7「塗り足し」
今さら聞けない印刷用語集 その8「オーバープリント」
今さら聞けない印刷用語集 その9「ピンホール」
今さら聞けない印刷用語集 その10「経済ロット」
今さら聞けない印刷用語集 その11「クレーム」
今さら聞けない印刷用語集 その12「Mインキ・Sインキ」
今さら聞けない印刷用語集 その13「オンデマンド印刷」
今さら聞けない印刷用語集 その14「デザイナーとDTPオペレーター」
今さら聞けない印刷用語集 その15「ヤレと予備紙」
今さら聞けない印刷用語集 その16「DICカラーガイド」
今さら聞けない印刷用語集 その17「 色校正」
今さら聞けない印刷用語集 その18「束見本」
今さら聞けない印刷用語集 その19「入稿」と「出稿」
今さら聞けない印刷用語集 その20「罫線」
今さら聞けない印刷用語集 その21「データ入稿」
今さら聞けない印刷用語集 その22「UV印刷」
今さら聞けない印刷用語集 その23「PDF入稿」
今さら聞けない印刷用語集 その24「プリフライトチェック」
今さら聞けない印刷用語集 その25「校正」
今さら聞けない印刷用語集 その26「著作権」
今さら聞けない印刷用語集 その27「ネット印刷通販」
今さら聞けない印刷用語集 その28「スキャニング」
いまさら聞けない印刷用語集 その29「画像サイズと印刷サイズ」